結婚のいちばんの壁は「お金」? 結婚資金は「3つの箱」で考える

結婚資金は「3つの箱」で考える

「結婚したい気持ちはあるけれど、お金が足りるか不安」。婚活をしていると、こう感じる場面は少なくないと思います。実はこの不安、多くの人が同じように抱えています。この記事では、国の調査と民間の調査をもとに「結婚資金」の中身を分けて整理し、今からできる準備をまとめます。

結婚の「障害」、いちばん多いのは結婚資金

国の調査で、いずれ結婚するつもりの18〜34歳の未婚者に「1年以内に結婚するとしたら、何か障害になることがあるか」をたずねると、もっとも多かったのは「結婚資金」でした。

障害になること男性女性
結婚資金47.5%43.0%
結婚生活のための住居22.6%20.9%

男女とも、4割以上が結婚資金を挙げています。2番目の「住居」もお金に関わる項目です。お金の不安は、あなただけのものではありません。

出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(2021年)」報告書 第Ⅰ部 図表1-3-1。対象は「いずれ結婚するつもり」と答えた18〜34歳の未婚者

結婚式にかかるお金は、平均でいくら?

では、実際にどのくらいかかるのでしょうか。結婚式(挙式と披露宴・ウエディングパーティー)をした人の平均は次のとおりです。

項目平均
挙式・披露宴・ウエディングパーティーの総額298.6万円
招待客の人数57.2人
ご祝儀の総額187.1万円
ふたりの自己負担額158.9万円

総額だけを見ると大きな金額ですが、ご祝儀でまかなえる部分もあります。同じ調査で、ふたりの自己負担額の平均は158.9万円でした。総額・ご祝儀・自己負担額は、それぞれ集計の対象になった人が違うため、総額からご祝儀を差し引いても自己負担額とは一致しません。

また、挙式をした人は48.9%、披露宴・ウエディングパーティーをした人は43.1%でした。結婚を機にした食事会や写真撮影まで含めると、何らかの形で「ウエディング」をした人は73.5%です。式をするかどうか、どんな形にするかで、必要なお金は大きく変わります。

出典:リクルート ブライダル総研「結婚マーケット調査2025」(2026年1月22日公表)。2024年4月〜2025年3月に結婚した全国20〜49歳の男女が対象。総額・人数は挙式と披露宴・ウエディングパーティーをともに実施した人の平均、ご祝儀・自己負担額は各1回ずつ実施しご祝儀制だった人の平均

結婚資金は「3つの箱」に分けて考える

「結婚資金」とひとことで言っても、中身は性質の違う3つに分かれます。ひとまとめにせず、箱ごとに考えると、何をいくら準備すればいいかが見えやすくなります。

結婚資金は「3つの箱」に分けて考える
箱中身の例特徴
① イベントの箱結婚式、指輪、新婚旅行、両家の顔合わせ一度きり。形を選べば金額を調整しやすい
② 新生活の箱引越し、敷金・礼金、家具・家電一度きり。住む場所や持ち物で変わる
③ これからの箱毎月の生活費、もしものときの備えずっと続く。結婚後の家計の土台

結婚資金というと①に目が向きがちですが、結婚後の暮らしを支えるのは③です。①と②は「いつまでにいくら」と目標を決めて準備し、③は毎月の家計の中で続けていく、という分け方がおすすめです。

使えるかもしれない支援:結婚新生活支援事業

②の新生活の箱には、国の交付金を使って市区町村が行っている「結婚新生活支援事業」が使える場合があります。新居の家賃や引越し費用などの一部を補助する制度です。実施しているかどうか、条件や金額は市区町村ごとに違います。

たとえば千葉県船橋市の令和8年度の場合は、次のような条件です。

項目船橋市(令和8年度)の例
婚姻届の提出2026年1月1日〜2027年3月31日に受理
年齢婚姻時点で夫婦ともに39歳以下
所得夫婦の所得の合計が500万円未満(奨学金の返済額は差し引ける)
補助の上限30万円(夫婦ともに29歳以下なら60万円)
対象になる費用新居の家賃・敷金・礼金・仲介手数料、住宅の購入やリフォーム、引越し費用

予算に達すると受付が終わることもあるので、住む予定の市区町村のホームページで早めに確認しておくと安心です。

出典:船橋市「令和8年度結婚新生活支援事業について」。こども家庭庁「地域少子化対策重点推進交付金」による市区町村の事業

たとえるなら「頓服」と「毎日の薬」

薬には、症状が出たときに1回だけ飲む「頓服(とんぷく)」と、毎日続けて飲む薬があります。結婚資金も同じで、①イベントと②新生活は頓服、③これからの暮らしは毎日の薬です。頓服は「そのときに必要な分」を用意すれば足ります。でも毎日の薬は、無理なく続けられる量にしておくことが大切です。式にお金をかけすぎて、結婚後の家計が苦しくなる、という順番の逆転だけは避けたいところです。

婚活中の今からできること

  1. 箱ごとに目標を書き出す:①と②は「やりたい形」と「いつごろ」を決めると、必要な金額が見えてきます
  2. 毎月の貯金を自動にする:給料日に別の口座へ移す仕組みにすると、気持ちに左右されずに続きます
  3. 相手と話す順番を決めておく:いきなり貯金額を見せ合うより、「どんな暮らしをしたいか」から話すと進めやすくなります

お付き合いが進んだら、同棲するときのお金の分け方や、結婚後の家計管理は3つの型も参考にしてください。

まとめ

  • 結婚の障害として「結婚資金」を挙げる人は、男性47.5%・女性43.0%(2021年)。不安はみんな同じ
  • 結婚式をした人の総額の平均は298.6万円。ふたりの自己負担額の平均は158.9万円
  • 結婚資金は「イベント」「新生活」「これから」の3つの箱に分けて考える
  • 新生活には、市区町村の結婚新生活支援事業が使えることもある

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品をおすすめするものではありません。制度の内容は2026年10月時点のものです。

結婚とお金
この記事を書いた人
薬剤師FP 池ゆか

薬剤師/AFP/証券外務員一種。お金とカラダの相談室 代表。29歳のとき、母の闘病と父・祖母の介護が重なり、「体調」と「お金」は切り離せないと実感してFPの資格を取得。薬剤師の視点で、家計・保険・NISA・ライフプランのご相談を全国からオンラインで受けています。シティリビング、読売カルチャーセンターで講師を担当。医療法人・ドクターの方のご相談も。

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