薬剤師の平均年収は566万円。手取りはいくら?額面との差を埋める4つの控除

薬剤師の平均年収は566万円。手取りはいくら?額面との差を埋める4つの控除

求人票に書かれているのは額面の年収で、実際に口座に入るのはそこから2割ほど引かれた金額です。この差がどこで生まれているのかがわかると、「もう少し稼ぐ」以外の手も見えてきます。

薬剤師の平均年収は566.8万円

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)が賃金構造基本統計調査をもとに公表している数字では、薬剤師の平均年収は566.8万円、平均年齢は40.1歳です。看護師は524.7万円(42.1歳)、保健師は551.4万円(42.4歳)でした。

この「令和7年調査」は、2025年6月分の賃金と、2024年1年間の賞与を合わせた集計です。公表は2026年3月でした。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」薬剤師・看護師・保健師(令和7年賃金構造基本統計調査より)

同じ薬剤師でも、勤務先で年収は変わる

職種の平均より実感に近いのが、中央社会保険医療協議会の医療経済実態調査です。常勤職員1人あたりの平均年収(令和6年度)は次のようになっています。

勤務先常勤薬剤師の平均年収
一般病院(全体)581万円
一般診療所(医療法人)661万円
保険薬局(法人)の薬剤師480万円
保険薬局(法人)の管理薬剤師726万円

同じ保険薬局でも、管理薬剤師とそうでない場合で246万円の差があります。転職を考えるときは、職種の平均年収より、この「どこで・どの立場で働くか」のほうが効いてきます。

出典:厚生労働省・中央社会保険医療協議会「第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)」2025年11月公表(令和6年度の数値)

勤務先別 常勤薬剤師の平均年収

額面600万円なら、手取りは約463万円

額面から引かれるのは、社会保険料・所得税・住民税の3つです。年収600万円の方を例に計算すると、次のようになります。

引かれるもの率(本人負担)金額の目安
健康保険料4.95%約29.7万円
厚生年金保険料9.15%約54.9万円
雇用保険料0.5%約3万円
所得税課税所得により約18.7万円
住民税所得割10%約30.8万円
手取り—約463万円(77%)

前提は、40歳未満(介護保険料なし)、協会けんぽの令和8年度の全国平均料率9.90%、扶養家族なし、生命保険料控除などの上乗せなし、月給50万円×12か月として計算しています。40歳以上になると介護保険料(本人負担0.81%)が加わり、手取り率は0.6ポイントほど下がります。

出典:全国健康保険協会「令和8年度保険料率」/日本年金機構「令和8年度 厚生年金保険料額表」/厚生労働省「令和8年度の雇用保険料率」/国税庁タックスアンサーNo.1410・No.1199/総務省「個人住民税」

差を埋めるのは、転職より先に「控除」

iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)

掛けた全額が所得から引かれます。勤務先に企業年金がない会社員は月2.3万円、企業型確定拠出年金や確定給付企業年金がある方・公務員は2024年12月から最大月2万円になりました(それ以前の月1.2万円という情報は古いものです)。さらに2026年12月からは、企業年金がない会社員は月6.2万円、企業年金がある方は企業年金の掛金と合わせて月6.2万円まで枠が広がります。

生命保険料控除

一般・介護医療・個人年金の3区分でそれぞれ最大4万円、合計12万円が所得税の上限です。すでに入っている保険で枠を使い切っているかは、年末調整の書類で確認できます。

医療費控除

生計を一にする家族の分を合算して、1年間に支払った医療費から10万円(総所得金額等が200万円未満の方はその5%)を引いた額が対象です。上限は200万円。市販薬中心ならセルフメディケーション税制(上限8.8万円)という選択肢もありますが、両方は使えません。

ふるさと納税

自己負担2,000円で寄附額が控除される仕組みですが、上限は住民税の所得割額の2割が目安です。医療費控除やiDeCoを使うと住民税が下がるため、ふるさと納税の上限も下がります。順番としては、先にiDeCoと医療費控除を決めてから、ふるさと納税の金額を出すほうが安全です。

出典:国税庁タックスアンサーNo.1140・No.1120/総務省「ふるさと納税 税金の控除について」/厚生労働省「確定拠出年金の拠出限度額」

まとめ

  • 薬剤師の平均年収は566.8万円(平均年齢40.1歳)。看護師は524.7万円
  • 同じ薬剤師でも、保険薬局の一般480万円と管理薬剤師726万円で差が大きい
  • 額面600万円の手取りは約463万円。引かれるのは社会保険料・所得税・住民税
  • 手取りを増やす最初の一手は、転職より先にiDeCoと控除の使い切り

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薬剤師・医療従事者のお金
この記事を書いた人
薬剤師FP 池ゆか

薬剤師/AFP/証券外務員一種。お金とカラダの相談室 代表。29歳のとき、母の闘病と父・祖母の介護が重なり、「体調」と「お金」は切り離せないと実感してFPの資格を取得。薬剤師の視点で、家計・保険・NISA・ライフプランのご相談を全国からオンラインで受けています。シティリビング、読売カルチャーセンターで講師を担当。医療法人・ドクターの方のご相談も。

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