iDeCo(個人型確定拠出年金。自分で掛金を出して、60歳以降に受け取る年金)の掛金の上限が、2026年12月から大きく変わります。病院や薬局で働く医療職は、勤務先によって入っている年金制度がさまざまで、どの区分に当てはまるかで上限が違います。この記事では、何が変わるのか、自分はどこを確認すればいいのかを整理します。
いつから変わる?
改正は2026年12月1日に施行されます。新しい上限が使えるのは、2026年12月分の掛金(2027年1月に口座から引き落とされる分)からです。
ひとつ大切なのは、上限が上がっても掛金は自動では増えないことです。増やしたい人は、加入している金融機関(運営管理機関)で掛金額の変更手続きが必要です。
出典:厚生労働省「2025年の制度改正」、施行期日を定める政令(令和7年政令第441号)、厚生労働省「必要な手続きについて」(案内チラシ)
区分ごとの上限(月額)

| あなたの区分 | これまで | 2026年12月から |
|---|---|---|
| 会社員で、企業年金がない | 2.3万円 | 6.2万円 |
| 会社員で、企業型DCがある | 2.0万円 | 6.2万円 − 会社が出す掛金 |
| 会社員で、確定給付企業年金(DB)などがある | 2.0万円 | 6.2万円 − 会社が出す掛金 − DBなどの掛金相当額 |
| 公務員 | 2.0万円 | 6.2万円 − 共済の掛金相当額(月8,000円) |
| 自営業・フリーランス(第1号) | 6.8万円 | 7.5万円(国民年金基金などと合わせて) |
| 専業主婦・主夫(第3号) | 2.3万円 | 2.3万円(変わらず) |
企業型DCやDBがある人は、これまでの「iDeCoは最大2.0万円」という枠がなくなり、会社の掛金などを差し引いた残りの範囲でiDeCoに出せるようになります。
出典:厚生労働省「iDeCo拠出限度額の引き上げ」、厚生労働省事務連絡「確定拠出年金Q&Aの改正について」(令和8年7月13日)、厚生労働省 年金局長通知(令和7年12月24日)、金融経済教育推進機構(J-FLEC)「iDeCo」(2026年5月)
医療職が確認したい3つのこと
- 勤務先にどんな年金制度があるか:同じ病院勤務でも、民間の病院、公立の病院、大学病院などで入っている制度が違います。給与明細や就業規則、福利厚生の案内で「企業型DC」「確定給付企業年金」「共済」といった言葉を探してみてください
- 会社が出している掛金はいくらか:企業型DCやDBがある場合、iDeCoに出せる額は会社の掛金によって変わります。わからなければ、勤務先の担当部署に聞くのが確実です
- 上限まで出す必要があるか:iDeCoのお金は原則60歳まで引き出せません。上限が上がったからといって、無理に増やす必要はありません
加入できる年齢も広がる
同じく2026年12月から、60歳以上70歳未満の人も、一定の条件を満たせばiDeCoに加入できるようになります(すでにiDeCoに加入している人など)。施行から3年間は、条件に当てはまらない60代も新しく加入できる経過措置があります。
出典:厚生労働省「iDeCoの加入可能年齢の引き上げ」
変わらないこと
- 掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象になる
- 受け取りは原則60歳から。60歳時点で加入期間が10年に満たないと、受け取り開始が61〜65歳に遅くなる
- 途中で引き出すことは原則できない
出典:厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」、国税庁「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」(令和8年4月1日現在法令等)
たとえるなら「最大用量」と「適量」
薬には「1日最大でここまで」という最大用量がありますが、みんなが最大量を飲むわけではありません。年齢や体の状態に合わせて、その人に合う量を決めます。iDeCoの上限も同じで、上がったのは「最大量」です。生活費や手元に残しておきたいお金、ほかの貯め方とのバランスを見て、自分に合う量を決めるのが大切です。
まとめ
- iDeCoの上限は2026年12月分の掛金から変わる。会社員で企業年金がない人は月2.3万円→6.2万円
- 企業型DCやDBがある人は、会社の掛金などを引いた残りまで出せるようになる
- 掛金は自動では増えない。増やすなら変更手続きが必要
- 上限は「最大量」。自分に合う額を決めることが大切
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品をおすすめするものではありません。制度の内容は2026年10月時点のものです。

