婚姻届を出したあとは、名前や住所、保険や年金など、お金にかかわる手続きがいくつも続きます。窓口がばらばらなうえ、期限が決まっているものもあるので、気づいたら後回しになっていた、ということも起こりがちです。この記事では、結婚後のお金の手続きを「どこで」「いつまでに」で整理し、進める順番の目安をまとめます。
まずは全体像。窓口と期限を一覧に
| 手続き | 窓口 | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 住所が変わる場合の転入届・転居届 | 市区町村 | 引っ越した日から14日以内 |
| マイナンバーカードの記載事項の変更 | 市区町村 | 変更があった日から14日以内 |
| 健康保険の扶養・国民年金の第3号被保険者の届出 | 配偶者の勤務先を経由 | 事実発生から5日以内(勤務先が提出) |
| 運転免許証の記載事項の変更 | 警察署・運転免許センターなど | 速やかに |
| 銀行・証券・保険・クレジットカードの名義や住所 | 各会社 | 各社の案内による |
名字が変わらない場合や、引っ越しをしない場合は、必要のない手続きもあります。ご自身に当てはまるものだけ拾ってください。
出典:住民基本台帳法 第22条・第23条(e-Gov法令検索)、京都市「マイナンバーカードの住所や氏名等に変更があったとき」、日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」(2026年9月30日更新)、道路交通法 第94条
1. 名前と住所の手続きは、役所でまとめて
住所が変わる場合、引っ越した日から14日以内に転入届(別の市区町村から)または転居届(同じ市区町村の中)を出します。名字が変わったり住所が変わったりしたときは、マイナンバーカードの記載事項の変更も、14日以内に届け出ます。婚姻届と同じ日に済ませられるものは、まとめて済ませると楽です。
ひとつ気をつけたいのが、マイナンバーカードの「署名用電子証明書」です。名前や住所が変わると、この電子証明書は失効します。確定申告をe-Taxでするときなどに使うので、必要な方は窓口で発行し直しておきましょう。なお、ログインなどに使う「利用者証明用電子証明書」は失効しません。
出典:住民基本台帳法 第22条・第23条、京都市「マイナンバーカードの住所や氏名等に変更があったとき」、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)公的個人認証サービス「転居や氏名の変更等」
2. 扶養に入るかどうかを決めて、勤務先へ
配偶者の会社の健康保険の「扶養」に入る場合は、配偶者の勤務先に申し出て、勤務先から届け出てもらいます。勤務先が出す期限は、事実発生から5日以内です。会社員・公務員の配偶者の扶養に入る人は、国民年金の「第3号被保険者」の届出も同じ用紙で一緒に行います。
扶養に入れるかどうかの主な目安は、次のとおりです。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 年間収入 | 130万円未満(60歳以上などは180万円未満) |
| 同居している場合 | あわせて、配偶者(被保険者)の年間収入の2分の1未満 |
| 別居している場合 | あわせて、配偶者からの仕送り額より少ない |
届け出をしていない事実婚の配偶者も、扶養の対象になり得ます。ただし、最終的に扶養に入れるかどうかは、加入している健康保険が判断します。
2026年10月からは、パートで働く人が自分で社会保険に入る条件から「月8.8万円」という賃金の条件がなくなりました。扶養に入るか、自分で加入して働くかを考えるときは、扶養内で働く人の「月8.8万円の壁」がなくなった話も参考にしてください。
出典:日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」(2026年9月30日更新)
3. お金の名義と「受取人」も見直す
銀行口座、証券口座、生命保険、クレジットカードなどは、それぞれの会社に名前や住所の変更を届け出ます。期限は各社で違いますが、旧姓のままだと、振込や引き落とし、本人確認の場面で手続きが止まることがあります。
あわせて確認しておきたいのが、生命保険の「受取人」です。独身のときに親を受取人にしていた場合、結婚後もそのままになっていないか、一度見ておくと安心です。どうするのがよいかは家族の状況によって違うので、ふたりで話してから決めましょう。
たとえるなら、薬の「切り替え」
薬を別の薬に切り替えるときは、前の薬をいつやめて、次の薬をいつから始めるかを決めます。間があいてしまったり、二重に飲んでしまったりしないためです。結婚後の手続きも同じで、特に健康保険は「前の保険をいつ抜けて、次の保険にいつから入るか」がつながっていることが大切です。仕事を辞めて扶養に入る場合などは、空白の期間ができないよう、日付を確認しながら進めてください。
進める順番の目安

- 役所:婚姻届と一緒に、住所の届出とマイナンバーカードの変更をすませる
- 勤務先:自分の勤務先には名前や住所の変更を、扶養に入る場合は配偶者の勤務先にその届出を
- 運転免許証:新しい名前の本人確認書類として使えるようにする
- 銀行・証券・保険・カード:新しい本人確認書類を使って、各社に届け出る
役所の手続きで本人確認書類が新しくなってから、銀行や保険の手続きに進むと、二度手間になりにくくなります。
まとめ
- 結婚後のお金の手続きは「どこで」「いつまでに」で一覧にすると抜けにくい
- 住所の届出とマイナンバーカードの変更は14日以内。署名用電子証明書は失効するので必要なら発行し直す
- 扶養に入る場合は配偶者の勤務先へ。勤務先の提出期限は5日以内で、第3号被保険者の届出も一緒に
- 銀行・証券・保険・カードは各社へ。生命保険の受取人も見直す
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品をおすすめするものではありません。制度の内容は2026年10月時点のものです。

